トンネルの中

信用する側のものすごい根気が必要なのである。一度裏切られたものを修復するにはとてつもない時間を要する。二歩進んでは一歩下がり、いつになるかわからない真っ暗の中模索しながら進まなければならない。二歩進んでは、と言ったがそもそも進んでいるのかすらも分からない。


ある時突然の光が見えた。
そこには溶岩が垂れ流れていた。火傷を負った。涙を流す。そしてまた暗闇に戻る。

また光が見えた。
電気をつけた部屋が覗けた。こちらは覗くだけ、鍵は厳重にかかっている。
こちらからは何も出来ない。ただただ久々の光を心に感じ涙を流すことしか出来ない。この涙はなんなのか。

答えのないものを探すこと程果てしなく苦しいものはない。狂ってしまいそうだ。

一度狂った時計の針は誰かが戻してあげなければならない。時計自身が戻すことは無理だろう。